先生学 breakthrough with growing
「忙しい時の業務の優先順位 その2」
今回の「先生学」のテーマも、前回に引き続き「忙しい時の業務の優先順位」。その続編です。さっそく見ていきましょう。
★ 先生の業務の優先順位 ★
前回に引き続き、我々教員の業務内容についての優先順位を、再度確認していきましょう。
⑥ 行事・生徒会・委員会対応
こちらも期日と、それに伴うそれぞれの生徒の動き、全体の日程やスケジュールも逆算して考えておきます。私自身の経験ではその行事が近くなる「少し前の時期から」委員会などは集まるようにする。「定例会」を開催する。週一、昼休みあるいは放課後など短時間。これって実は面倒くさいものですよね。結局、先生が絵を描いて生徒を割り当て、そして動かすことになるから。それはわかってます。
でもね、それを計画することで先生、生徒お互いに「抜け落ちる」ことも減り、逆に「こうしておいた方が良いかも」ということが見えてきたりします。また、生徒同士も距離が近くなり、お互いの性格や得意不得意もわかるので協力やサポートもし合うようになりますよ。想定外の不思議な効果も得られます。
⑦ 部活動
こちらは担当する部活動の顧問の先生として。大会の申し込みや参加費の振込申請などそれに伴う手続きを顧問として忘れない。専門外の場合は前任の先生にこまめに聞いておく。大会やコンクールに出られなくなるような大きなトラブルなどが無いように。主顧問の先生だけでなく複数の顧問で常に確認するような体制にしておきたいですね。
⑧ 生徒の個別対応
緊急でなければ、この順位でOK。気になる生徒を先生間の話で共有しておき、休み時間や授業前に声掛けもしましょう。遅刻や欠席の多い生徒の他、ストレスの多い生徒や家庭で変化のあった生徒、成績が急降下した生徒などが対象。ですが、こちらは声掛けのタイミングが大事。担任、部活の顧問、養護教諭、スクールカウンセラーなどとも情報共有しておきます。
⑨ 学年・分掌の担当者の先生への声掛け
先生ご自身が業務上その年度に関係している先生に声掛けします。直前はもちろん定期的に担当する前任者の先生や連携しておくべき先生には、やりとりを密にしておきます。「抜け防止」の意味も当然あります。
⑩ 管理職への報告
副校長へのメモやひと言。校長室への個別の資料提出、時にはアドバイスをいただきに。管理職の先生方こそそういう接近を嫌がらないものです。もともと現場出身ですしね。また、気遣いの意味もあります。管理職は我々現場の教員には見えないところで、常日頃からカバーしてくれていたりするものです。合宿引率後のお土産や帰省した後のお土産も、たぶん嬉しいものです。
⑪ 手伝ってもらった方々へのお礼
主事さん、事務員・警備員の方、助けてもらった生徒まで、声掛けやお礼を忘れずに。こちらも高額なものでなく、個別の小さなお菓子などで十分。常に抜かりなく気遣える先生、あるべき先輩像としての人間でありたいものです。
★ 忙しい時の先生のあるべき姿 ★
「先生は何よりもまず授業でしょ!」と言いたいところですが、学校現場は生もの。「授業が最優先」そのこと自体はたしかに間違ってないのですが、予定通りには行かないことも少なくありません。そしてご存知のようにトラブルはなぜか重なりがちなもの。
先生としてあるべき姿は、何が起こるかわからないから大変なんだ、ではなく何か事件やトラブルが突発的に起こっても「あー、今こんな流れね」と、頭の中だけは冷静に優先順位を付けられるかどうか。
そして何よりも大事なことは児童生徒のことも含めて「後回しにできることをスパッと後回しにできるか」でしょう。そして、それを間違えない。ミスしない。また後回しにしたことを忘れずに、記憶だけに頼らず付箋やメモなど視覚的に残しておく。自分一人では厳しいと予測せざるを得ない時は「協力を周囲に仰ぐ」ことを恐れない。それは副校長など管理職も含みます。そういうチームワークの要請ができるかどうかも、多忙で仕事が順調には回らない我々教員には、資質の一つとして求められます。我々の仕事は多岐にわたります。協力してもらうのは「お互いさま」なのです。それが学校なのです。
(終わりに)
2学期は本当に忙しい。いやいや、先生の仕事はいつも忙しいじゃないですか。だからこそ、この季節の変わり目はまず健康を維持しておく。毎日出勤できるように心掛ける。そのためにも優先順位を把握しておきその判断をミスしないようにしたい。具体的にはその業務に掛ける時間とエネルギーを上手に配分する。緊急の業務は怠らず、そして締め切りの遠い仕事は疲れている時にやり過ぎない。協力してもらうことは迷うことなくお願いする。その冷静さを持ち、いったん机から離れる決断をできるかどうか。ミスしても引きずらない。最近、特にそういうことが大切だと思います。先生の仕事は毎日続いています。我々が子どもたちの前で疲れている顔ではなく笑顔を絶やさない。そういう精神状態でいるためにも、ブラックなこの業界、仕事はくれぐれも効率よく割り切って取り組みたいものですね。ではまた!