2019年10月

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「研究授業のやり方」〜研究授業実践編〜



今や、教員採用の初年度の新採時研修ばかりでなく、校内での研究授業は年数回、しかも2年次、3年次にも研究授業が公立の学校では課せられる「研究授業」。こちらは記憶や記録に残るようなものである必要は無いものの、無難に行うことが求められます。

そこで今回はそつなくこなす「下手を打たない研究授業のやり方」について助言しておきます。

ポイントとなる以下の3点について項目について、述べていきたいと思います。



    指導案の捉え方 


これは今や電子データであらかじめ関係の先生方に送付しておくことも必要となってます。が、これについては詳細まで精査されることはまずないので、形式的なものでかまいません。(校長はじめ管理職や見学者も同業のため忙しく、あらかじめ見て評価することどころかプリントアウトしておくこともまずない。)  

しかし、授業の前には自分の研究授業の表立ったテーマと実際のイメージの確認のためにも、大学の教科書やネットで拾える指導案例に従います。一通り形式通りに作成し、確認。テーマは1つ、指導ポイントの大きなものは2つでいいでしょう。ご自身の担当教員へはもちろん、関係者へ送付、当日急に来てくれた先生用にプリントして綴じておきます。とにかく準備はしておきましょう。指導案は、「授業の準備はしたよ!」という言い訳なんです。もちろん授業担当の先生が見られて諸先生方の求めるものは「実際の授業の質や対応」です。



    指導の実際のポイント 


さて、授業です。誰が見に来ていても大切なのは、あらかじめ作成した研究授業の「本時の授業の指導案」の指導計画に従ってできたかどうか、が一番ではありません。誤解を恐れずに言えば、実は最大重要事項ではない。指導案通りに授業を終える、それも当然大事ではあります。でも、計画通りできれば合格点で良い評価に直結するかと言われれば、そうではないということです。


では、指導教諭、ベテランの先生方や指導主事、管理職の先生がどの辺を気にして見るかというと「授業での生徒とのやり取りと様子」それと「各教科内容の定番のテーマやポイントを押さえたかどうか」でしょう。解釈や運用面で新しいものが出てきても、ベテラン教員は古臭い体質や考え方、旧態依然とした価値観の人も少なくない。そして学校現場では、そういう考え方が一概に良くないとも決めつけられません。それゆえ指導書内容も馬鹿にはできません。その辺を押さえて、新しいものも取り入れられるか。指導書は表示形式や記載されている形式含め定番のままがほとんどです。どちらにも目を向けたい。


だからこそ、生徒とのやり取りは大事。結局その授業当日のこと、というよりは、それまでの関係性が重要。和気あいあいと楽しく前向きにみんなが取り組めているかどうか。そこです。

見学してくださった先生方からは、こちらが「今日のこの授業は完璧にできたぜ!」と思っても必ず「こうした方がいい」「こういうやり方もあるよ」と言われます。だから、適度な拙さを伴う完成度や、ちょっとうまくいかない部分があってもいい。なぜか。その次の「助言」を頂くことにつながるからです。そして、それは成長して欲しいが故の言葉であり、先生の見方や指導法の選択肢を増やす助言だからです。


個人的に、若手の先生ので授業を見ていつも思うのは、熱意や勢いがあるのはとても良い印象なのですが、その反面、「発問時に生徒の顔を見ていなかったりする」または「早く答えてもらい次に進みたくなってしまう」点が少なくないということ。そうするとペースがついつい早くなりがち。周りに見学者がいても、先生はそこに生徒を無理やり引き込むのでなく、また瑣末な専門内容にも触れておかなきゃと焦るのでなく、「どうしてそう考えるのか」ということが、軽くならないよう少し時間を掛けてもやり取りすることの方が大切です。

答える意欲が少ない生徒ばかりなら「二択〜三択で必ず挙手させるスタイル」に。ここでは簡単なものと、「引っ掛けて間違えさせて注目させる系」を準備。あとは、プラスアルファで、学力レベルが高い生徒向けにプライドをくすぐるような「ちょっとだけ専門の知識系事項について、挙手制で発問する」準備をしておきます。



    授業の振り返りとご助言のお願い 


こちらも大切。授業よりもある意味大切です。笑    業績評価をしたり、可愛がってくれたり重宝して引き立ててくれるかのはどなたですか?  それは管理職や上司です。見に来てくれた若手の同僚にも聞いてもいいでしょう。それは、一通り感想や冷静に振り返るとヤバかった話や内容や進め方に関することなどを聞きます。


そもそも、授業というのはどんなに上手くいったとしても満点にはならないものです。必ず反省点が出るもの。他のクラスでも再放送をしますが、それでも生徒の性格や質、クラスの雰囲気も異なるため、イメージ通りにはならない。また次年度以降にまたその教材を扱うこともあります。そこまでの予測はその時点でつかない。助言は今の自分に合う合わないではなく、すべて受け止めるべきです。


見学をしてくださった先生方、少しでも顔を出してくれた自分より年上の先生方には、研究授業後、必ず「その日のうちに」すべて回って助言をいただきます。自身の部活の練習などもすべて排して回ります。年上の先生方にはこちらから時間制限を決して設けることなく(ここポイントです)思う存分話してご助言いただきます。自分のその時の授業の意図も少し話しておきましょう。先輩方にご機嫌取りな奴、と思われないためにも。


しかし、見学に来て下さったその助言がドンピシャなものであるかどうかは問題ではありません。教員人生は長いのです。教員は職場でお互いの仕事も密接。教員の世界は狭い。異動後も同じ職場時代の印象や評価がつきまとう。とにかく、大げさに言えばどんなことでも聞いて「そうですね、そのことはまったく気が付きませんでした。勉強になりました。今後も専門家ならではのアドバイス、是非よろしくお願いします!」と終わります。……年配の先生方は、聞いて欲しいのです。若手の先生にアドバイスしたいのです。



(終わりに)


しかし、正直、校務や生徒対応、授業やホームルーム準備で忙しく、定時で帰れることもほとんどないこの業界。ブラックで毎日の勤務やプライベートもままならない先生業。「研究授業どころじゃない、普通の授業でいいじゃないか!」と言いたいところですが、すでに規定上必須となり担当の指導教諭ばかりか管理職や時には他校の教員、教育委員会、指導主事までが見学に来る研究授業。面倒ですが、そつなくこなしておくことが大切です。どうせ、対象教員は必ず全員やらなければならないものです。だからこそ、ネガティヴに捉え過ぎず、しっかりやり切って生徒以外の周囲の評価も良い意味で変える機会だ!として、やりきってしまいましょう。



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「生徒の救急搬送時にやるべきこと」



今回は、授業など学校生活はもちろん登下校中、主に体育の授業や部活動の時に熱中症や大きな怪我や事故により救急で病院に搬送引率する時の対応についてです。最近では食物アレルギーによるアナフィラキシーショックの発生するリスクにも対応を求められます。ということは、小中学校においては給食時などでもこういう状況が想定されますよね。

こういう状況が起こっても、焦ってパニックに陥るのでなく、また逆にただただ他の先生待ちになり対応を委ねるのでなく、若手であっても先生として抜かりなく生徒はもちろん関係者に対応しておきたいところです。


順を追って対応の手順を助言していきます。しっかりと覚えておいてください。



    養護教諭への連絡 


まず最初に報告するべきなのは養護教諭の先生です。校内であれば保健室の先生がいるところであれば、まずは初期対応と共にそちらに。動かすことが可能であれば保健室や医務室へ。本人の痛みが酷かったり頭部への衝撃などで動かすことができない時は、その場で対応する他はありませんが。その後の対応も一緒に対応や指示を仰ぎたいところ。しかし、土日祝日は当然不在でしょう。それでも慌てずに。



    救急車の要請 


次に消防署あるいは病院へ連絡 です。緊急性を要するものは、周囲の教員と確認し、近くにいない場合は生徒に呼びに行かせて、すぐに119番に連絡を。その際、くれぐれも当該生徒から離れない。責任問題に繋がるリスクはおかさない。救急隊が繁忙期で時間がかかる場合もあるのですぐに消防署と要する時間を確認して、顧問や保護者の自家用車、無ければタクシーを呼んででも救急対応のある病院へ連れて行く対応も。



    保護者連絡 


保護者へも当然連絡します。生徒は未成年。保護者連絡は必須。できれば複数の先生が動ければ同時に状況報告だけでも一本入れておきたい。

現場にいる授業の担当者や顧問の先生は、命に関わる、あるいは障害の残る恐れがあるときはすぐに連絡を。保護者の職場でも可。連絡は履歴を残して。そこまでではない程度であれば、病院や保健室などで対応してその後に連絡を。意識があるのであれば本人のスマホからで。ただし必ず先生本人が保護者と話をする。通話した上で本人と途中で変わっても良い。その方が病院引率であれば受診して得た正式診断名、全治にどれくらい日数や費用がかかるか、なども伝えられます。


LINEのメッセージやメールで済ますのは感心しませんね。控えましょう。文字だけの連絡は、誤解を招くことも少なくない。直接話しておくことが大切です。学校管理下にある時にも関わらずこのような事態になってしまい申し訳ありませんという気持ちを、しっかり込めて「先生自身の声で」伝えましょう。


また学校の保険「日本スポーツ振興センター災害共済給付制度」では後日かかった費用が返金されることなども伝えておきましょう。



    管理職連絡 


そこまでの連絡をすべて完了して、要点をまとめたら管理職へ報告します。手間にはなりますが、報告時に、生徒のクラス番号、氏名、事故日時や場所、当時の対応、保護者連絡の時刻、疾病名や病院名、といった諸々のポイントをまとめたものを作成し、プリントして渡せば管理職サイドも記録を残しておく義務があるので助かることでしょう。

一段落してしまうと、この報告をついつい忘れがちですが、必ず忘れずに。そのためにも校長までは必要無いですが、副校長あるいは教頭先生の連絡先・携帯番号はスマホの電話帳に入れておきましょう。これは教員としての義務に当たりますので。後で「報告義務違反」ましてや「隠蔽した」などと言われないように。



    担任連絡ほか 


最後に担任へ報告します。これは多少遅れてもかまいませんが忘れずに。病状や怪我の状態、受診や入院した病院名、今後学校にふつうに出席できるか否か、今後の授業に通常の状態でさんかできるかどうか、体育の実技についての可否なども伝えておきます。例えば松葉杖が必要でしばらく体育系学校行事に支障が出る、校内学習・遠足や修学旅行で特別な対応が必要となる、などについても本人に確認しておきます。


なお、リハビリが必要となったり、復帰まで長引くような大きな怪我であれば、保健体育科の先生にも直接連絡しておきましょう。



(終わりに)


我々の働く教育現場では、多数のさまざまな体質や健康状態の子どもたちと常に時間を共にします。その時間が長いためつい先生方の意識は薄れがちですが、毎日「命を預かっている」と言えます。それは決して大げさな言い方ではありません。我々がその場にいない時でも、例えば登下校中などにおいても事故や緊急の連絡電話は保護者ばかりか学校に連絡が来るからです。

経験が長い先生、あるいは引退、退職された先生方ほど、その部分は一番実感するはずです。昔から先生たち自身がよく聞き、よく話してきた言葉がありますね。始業式や終業式、あるいは行事の時に、子どもたちに向かって「あなたたちみんなが揃って元気な顔を見せてくれて嬉しい」あるいは「見せて下さいね」という言葉は、先生方の何よりもの本心だからです。


だから先生自身に非があろうがなかろうが、必要なことはまず事故発生時の適切な対応とその後の細かな生徒・保護者へのケア。そして適切なタイミングでの関係各所への連絡です。隠すことなく誠実に対応することで、保護者や周囲のあなたへの評価も決まります。くれぐれも冷静に。そして抜かりなく。事故時とその後の対応で、逆に教員としての評価は高まることも。

子どもたちが頼るのは、保護者の方々が頼りにして任せてお願いするのは学校の先生方。つまり、事故が起こってもそれにしっかり対応できるのが「先生」。ネガティヴになり過ぎず、冷静に先生としての対応をやり切りましょう。

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「テスト監督時のアクシデント対応」その2



前回に引き続き、定期考査を含むテスト監督時の教員対応のアドバイスです。ここからは教室を離れる事態の想定もします。

まず、前回お話ししたように、定期考査でのアクシデントは大きく4通りに分けられます。


①視聴覚機材や放送設備の故障・不具合

②遅刻生徒の対応

③急病や体調不良による退室

④カンニング等の不正行為


今回はその後半の③④についてのアドバイスです。かなり重要ポイントも押さえたものなのでしっかり覚えておきましょう!



    急病対応とトイレ退室 


試験時間中の受験中の生徒からのトイレの要望ですが、

1)どうしても無理か生徒本人に確認する

2)ここまでで当該生徒にとって通常のテストは終わりになると伝える

3)戻ってきて続きを受けたいと言っても、答案用紙は新しくなりその2枚目は参考点に過ぎない、なぜならトイレ退室時の不正行為を防止するためだと伝える

4)その上で生徒本人に判断させ、テスト終了


小中学校では、トイレの一時退室後も戻って受験させますが、高校、大学ではそれはまずありません。高校受験、大学受験、就職試験、資格試験、すべてトイレでの途中退室の時点で当該生徒は試験終了です。小中学校でもあらかじめそういう現状を伝えて指導しておくべきでしょう。「え?なんで?トイレ行って戻ってテストの続きやったって別にいいじゃん」などと言ってくる非常識な生徒や保護者は少なくないです。


途中での「終了理由」と「終了・退室時刻」「再入室時刻」をメモして、テスト後に速やかに担任、教科担当者、教務部に報告する。(「生徒本人からもテスト後に教科担当者と担任に報告するんだよ!」くらいの生徒指導は、テスト後にしておきたい。)


◎保健室希望生徒の対応◎


また急病や体調不良での途中退室の対応ですが、まず、テスト実施の前に「保健室担当がいるのか確認」しておく。よくあるのが保健室はいつも開いていて養護教諭が常駐している、と思い込みがち。これは生徒ばかりでなく教員も思い込んでますね。養護教諭も突発的に他の生徒の対応で保健室を空けてしまう場合も当然ある。養護教諭はふつう一校に一人配置。寒冷期には生徒の体調不良やインフルエンザも増えて大変。教務部と異なり複数はいません。また研修などで不在のことも少なくない。なぜなら定期考査期間中は体育の授業もなく運動部などの部活動も禁止期間が多く、生徒の怪我対応がないため、養護教諭も振替で休みを取ったり、自身のために研修を受けることがあるからです。そうなると心の病で保健室に駆け込む系の生徒を抱えている学年担任は、やっかいです。保健室は薬品がありセキュリティーが必ず掛かっています。ベッドは保健室。鍵の解除と引率・帯同も担任や学年団は準備を。


◎テスト監督のお願いや押し付けは要注意◎


ちなみに養護教諭や図書館司書の先生は、本来試験監督を業務としてすることになっていません。生徒のことだから、と当たり前のようにお願いしたら、職場での人間関係は最悪になりますよ。ちょっとくらい保健室で監督を手伝ってもらってもという発想はやめた方がいい。そこでさらに体調不良生徒、特に緊急を要する生徒が運ばれてきたらどう対応するんでしょうか?と、非常に当たり前のことを言われてしまいますから。撃沈するしかない。もともと保健室や図書館はテストを受ける場所ではない。万一管理職の立場で保健室監督や図書館監督をお願いしたら「パワハラ」。常にお世話になるのは教員側です。

だから保護者に電話連絡して下校、帰宅させるのが一番です。かなりひどいようであれば保護者に迎えに来てもらう。でも、これは本部や職員室待機の担任が対応すること。


◎当該生徒を引率せざるを得ない場合◎


監督時に一番忘れてはいけないのが、そのテスト時に「残りの生徒をそのまま誰も監督者がいない状態にして監督の先生がその生徒を連れて行ってはいけない」ということ。監督が複数であれば良いでしょうが、入試と異なり、通常のテストや考査では1人で1教室を担当するのが普通です。でも、パニックになってはいけません。冷静に。

隣の教室でもたぶん同様のテストをしていますよね。


1)そこで「事情を話し隣の教室で監督をしている先生に一時的に自分の教室と2教室監督をしてもらう」ようお願いする。原則これ。

当該生徒を保健室、あるいは本部や職員室の監督の入っていない先生方に事情説明と生徒の引き渡しをするところまでして、速やかに監督業務に戻りましょう。


2)隣の教室でテストを実施しておらず、周囲に助けてもらえる教員もいない。その場合は「同じ教室で受験をしている生徒に本部まで連れて行ってもらう(その後は保健室や病院へ)。」体調不良の生徒を連れて行ってくれた生徒には、申し訳ないがすぐ戻らせて、別途その連れて行ってくれた時間をプラスしてあげて受験させます。時には一人だけ別室で。当然お礼の言葉と感謝を。ですから、そんな状況でも、いや、だからこそ引率生徒を選ぶなら、できるだけ成績優秀な優等生がいいですね!笑



    カンニング等の不正行為対応 


不正行為を発見した場合。これも実は教室での対応は上記の通りです。一時的に隣の教室の監督の先生に同時に見てもらう。「監督時には絶対にその場を離れて生徒だけにしない」のは鉄則。隣の教室でテストがない、監督者がいない場合。それは不正行為をした生徒と確認の上、答案を没収して当該生徒だけそこで終わらせてしまえばいい。冷静にそういう対応もできないといけない。その際、「テスト科目」「教室名」「クラス番号・生徒名の確認」と、「その状況と生徒とのやり取り」「止めた時刻」はメモしておきましょう。


以前、私の勤務した高校では、監督の先生がそのカンニング生徒を連れて一時的に受験生徒を残したまま不在にしたときに、残された生徒全員が自分のノートやプリントを見て(つまりカンニング行為)全員高得点になった、ということがありました。その後、自分の対応を誤ったくせに、生徒にカンニングをしたのか?と詰め寄るように確認した先生も先生ですが、「ノートや教科書、プリントも見ました、みんなで相談までしちゃいました」と素直に吐いてしまう生徒も生徒ですけど。苦笑    このテストの時間も生徒の個々の点数も、すべて無意味なものになりました。


◎不正行為をさせない生徒指導を◎


途中退室と異なるのは不正行為の証拠をしっかり握ること、本人と確認しておくこと。こちらはきっちりしておきたい。後で生徒や保護者と揉めないためにも。これも事前に机の中は空っぽに、前の時間のテスト問題も含めてカバンに。机の上にも落書きさせない。万一見つければ不正行為として指導する、と監督スタート時に強く伝えて、できたら隣の生徒同士で机の上と中は確認させるといいでしょう。「あなたも確認したよね」という証拠にもなります。この先生はヤバいな、と生徒に思わせるオーラも出しておく。

万一不正行為を発見してしまったら周りのクラスメイトや受験生にはわからないようにしてあげる配慮があると良いでしょう。(その直後に衝動的に自殺などされたら、たまったもんじゃないですよね。なぜか責任は教員の対応が不適切だったとされてしまうんですから。)

その後は別室で証拠確認、反省文の記入を促し、保護者連絡、指導、という流れですね。そちらについてはまた別の機会でお話ししましょう。



(終わりに)


いずれにせよ、テストや定期考査はどこの学校においても厳しい環境下で実施していること、生徒にしっかり取り組ませる学習到達度の確認のための教育の根幹の一つであることを、毎回生徒、保護者には周知徹底して実施していく。アクシデントの報告や情報共有はもちろんですが、万一のために抜かりなく準備し、冷静に対応していきましょう。

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「テスト監督時のアクシデント対応」その1



今回から定期考査を含むテスト監督時の教員対応について2回に分けてお話しします。


ご存知のように学校では必ずテストが実施されます。中学校、高校では定期考査が年に数回必ず実施されます。テストの点数は、学期成績、そして学年末成績、そして調査書の成績につながります。それは卒業後の進路に直結しているんです。それゆえこのテスト監督問題は実はかなりデリケートな仕事内容を含んでいます。

ちなみに高等学校では、定期考査におけるカンニング等の不正行為は、生徒の飲酒、喫煙などよりも特別指導での案件としてはどこの学校でも重くなるんです。なぜなら個人の懲戒や指導で終わる問題ではなく、成績と言えばクラスや学年全体に関わりますから。高校を例に出すと、その成績は大学の指定校推薦の枠の1つをも左右するかもしれない、ということです。


しかしアクシデントはどんな現場でもつきもの。たとえアクシデントが起きても、生徒にも保護者にも、あるいは勤務校の管理職にも「この先生はきちんと、抜かりなく対応している」と評価される先生になりましょう。



アクシデントの種類★


まず、定期考査でのアクシデントは大きく4通りに分けられます。


①視聴覚機材や放送設備の故障・不具合

②遅刻生徒の対応

③急病や体調不良による退室

④カンニング等の不正行為


これらの事項は一律にこうすべき!と対応できるものではありません。それぞれ個別に助言していきます。



    視聴覚機材や放送設備の故障・不具合  ★


このことについては、リスニングなど英語のテストで起こりうるもの。これは基本的に、事前および当日朝に放送室と受験教室の放送機器点検を行う以外ありませんが、監督者としては機器の不具合で音声が聞き取れなかったり内容が違っていた場合、生徒には「落ち着いて他の問題に取り組みなさい」というほかはありません。リスニングなどを実施する科目のテストの場合、担当の先生の1人が教室や廊下を確認や質問対応で回ることがほとんど。そこで、すぐその旨を伝えましょう。


ちなみに公立高校では昔の入試時には、事前に工事で大きな騒音が出ないように近隣の工事現場に当日配慮してもらうお願いに行ったり、また廃品回収の放送が流れる車が通らないよう見回りまでしていたものです。不具合があれば速やかに担当学年と担当教科の先生に伝え、時間内の後の時間に再度実施か中止するかを確認し生徒に伝えましょう。



    遅刻生徒の対応  ★


交通機関の大規模な乱れについての遅刻生徒の対応は管理職おもに副校長や教頭、そして教務部の判断で、試験時間のスタート自体を遅らす。これについてはその教務部判断に従うだけ。


個人の遅刻に関しては、まず担任レベルからしないよう、させないよう、事前に繰り返し注意しておく。遅刻者が来た場合、基本は残された時間でできた点数をそのまま評価する。単なる遅刻生徒のために、当日の午後や翌日以降に追試を課す、追試をやってあげる、というのは(学校にもよりますが、)経験上まず行わない方が多いですね。なぜならすぐに生徒間でテスト問題の内容が漏洩しますから。遅刻生徒の方が有利になる。それじゃあ意味がないですもんね。また追試用のテスト問題を別途作る先生もいないでしょう。そこまでケアして想定してないから。また、追試をしてもらえると思わせてしまったり前例があると、遅刻してもまた受けられる、と生徒にいいように思われてしまいます。このことは教科、学年、学校単位で共通のやり方で取り組みましょう。バラバラだと生徒と保護者は自分の有利な状況を卒業までゴリ押ししてきますよ。


そして、これから話す③と④は、対応の経験値がないと、教員としてやらかしてしまうことになります。対応そのものがかなり専門的です。


この件については「その2」で詳しく話しましょう。



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「アクティブラーニング」


あるテーマについて、従来のように受動的でなく能動的に生徒たち自身が取り組むスタイルの「アクティブラーニング」。授業課題を教室内の生徒グループ単位で考えさせて、主体的に答えを導き出す。近年、文部科学省や教育委員会により推進されていますが、先生方はうまく取り入れてますでしょうか?  管理職から半ば強制されてる先生も多いのではないでしょうか?

今回はアクティブラーニングによる授業の指導のポイントについて助言しましょう。

「グループで進めるため授業が活性化する」「寝る生徒、放棄する生徒がいなくなる」「生徒たち自身が話し合い、教え合い、関係も良くなる」「何より解決策を見つけようと共に取り組み問題意識を自分たちのものにできる」などの長所は確かにあります。

今回はそのアクティブラーニングの注意すべき点について考察してみましょう。


アクティブラーニングの問題点★


しかし、アクティブラーニングにも問題点もあります。「できる子や発言力のある子の声が強くなる」「できる子に従い実は流される、影響を受けるだけで考えていない」「何より授業内容が深められない」「進度が進まない」「学校ではとりあえず本当の勉強は塾で、と割り切られ本気で考えない」などなど弊害も少なくありません。

また教室内で「ボッチ」にならないようにただ言われるままに参加してる子もいます。

学校現場では先生たちもお互いの時間割を知ってるくらい。日によっては科目が違っても一日のうち何度もこのスタイルで生徒が学んでることもある。時には連続で。生徒は飽きる。悪循環。「今日の授業で、こういうスタイルの授業やったかな?」って、聞いて授業してますか?

…自分のペースだけでやりたいようにやるだけでは、かえって魅力はなくなります。高校では、超進学校は大学のゼミ並みに行う時もある、進学校では導入控えめで、とにかく授業を進めることに躍起になります。逆に、普通校では盛り込み過ぎ、といった状況を耳にします。


アクティブラーニングは使いようです。

本来ならテーマを提示して、情報収集、フィールドワーク、討論、などの過程を経て行う。そういう大きなテーマに対しての学びです。

そうでなく、生徒の意識喚起、管理職への顔向けもあるなら、次のように上手にやりましょう。


授業進度との兼ね合い★


その時間の授業内容の重くない部分やポイントを押さえておく箇所は事前にどんどん進めておく。授業進度を考慮して。考査の時に試験範囲終わってない、ではマズイ!  共に当該科目を受け持つ先生との共通理解は大丈夫ですか?

まず、どんなに流行っていても、授業はアクティブラーニングありきではない。


テーマの設定★


テーマは、入試などでも求められる内容のものにして、それも過去の出題なども事前に調査して20〇〇年に△△大学〇〇学部で出題されてるぞ、と伝えてから行う。生徒の興味関心を引く。テーマ設定のためにこれくらいの準備はしておきたい。子どもたちの興味や関心、意識喚起はもちろん、こういう話は子どもたちを通じて親に話しも行く。あるいは保護者会で披露しても喜ぶ。先生の評価上がりますよ。笑


テーマ設定と選定の実態★


テーマについては、成績が良い子も悪い子も、考えられる内容に限る。当然、思想、宗教、倫理的なタブーなことにまでは深めない。一般論や常識・非常識、変わりつつある価値観などについて扱いたい。理数系科目では真ん中のちょっと上くらいの内容だと、勉強ができる子がそうでない子に教えながら取り組めます。

リスクマネジメントはしっかり。管理職に突かれないため。


成果の発表と評価★


学習レベルの様々な生徒に発表させる。全員参加ぽく見せる。勉強のできない子、おとなしい子にも発言させる。子どもたちは注目します。ふだんは勉強できる子の独壇場ですから。

最大のポイントは、発言した生徒、考えていた生徒を全員褒める。その内容を探しながら聴くこと。板書なんて必要ないです。とにかくなんかしら褒める。次回からも考えるようになります。そのための先生の褒め言葉のボキャブラリーは求められますが。


注意しておきたいこと★


一番重要な設定ポイントは「着地点」。テーマにもよりますが、ヒントはOK、でも強引に結論は出さない。明らかに事実の把握が甘かったり、認識不足、予測に無理がある場合は、それを示唆するのは当然必要です。でも、生徒たちを前座にしてしまい先生が主人公になって滔々と語り続けるのは考えもの。アクティブラーニングは生徒たちを主人公に。

理数系は別ですが、子どもたちの意見については賛成、どちらとも言えない、反対、その理由くらいにしておく。「あ、チャイム鳴ったね。みんなすごく考えて発言してくれたからだね!すごいよ!このことについての先生の意見や、今の社会における方向性なんかについては次回の授業でな!」と濁しておくのもアリです。笑自分たちで考えたから、次回の授業時にも必ず思い出します。そして、次回はサッと終わらせても大丈夫。意見出してますから。


(終わりに)


この授業形態の目的は教え合い考えて取り組むこと。一定の答は導き出したいですけど、予定調和的なまとめにならなくてもある意味OKなんです。時間を掛けてもね。ただ、授業の一つの単元としてテーマに対する方向性や歴史的意味を伝えたいなら、それはエピソード的なものも予備知識として持ち、子どもたちから出された本筋以外の意見に対する論証も過去の経緯としてあったことにも触れる理論武装もしっかり用意しておいて、有無を言わせないほどの完璧な説得力と授業の流れを作っておきたいものです。



さて、実践した結果のご連絡お待ちしてます。

ご意見ご質問もどしどしお寄せください。(^^)


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