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「部活動の新年度当初のミーティング    その2  〜全体ミーティング編〜」



今回は「部活動の顧問としてのミーティング・説明会のやり方」の第2回。前回の新1年生対象の「新入部員説明会編」に引き続き、その新1年生に新しく着任された新顧問の先生を含む顧問の先生方全員と上級生の2、3年生も加わった、つまりその時の部活の全メンバーが一堂に会する「全体ミーティング編」について助言していきます。


  全体ミーティングを行う意味  


前回「新入部員説明会」同様に、「全体ミーティング」(学校によっては「一斉部会」と呼んで全クラブの顧問の先生と新入部員と上級生の部員との顔合わせをしたりしますね。)の流れを押さえておきましょう。

本来、この全体ミーティングの主たる目的は、新入部員と2、3年生の部員と顧問の「顔合わせ」だと思われがちです。たしかにその一面もありますが、新年度立ち上げの時期なので学校サイドでは各種委員会と同様に、新しく「部長を選出」したり「部員名簿」を新たに作り提出させることで、顧問と部員の把握をして、生活指導部の担当が主催する「部長会」あるいは「クラブ委員会」と呼ばれるような会の代表者招集と連絡の資料作りのためでもあります。夏休みなど長期休業中の各部の活動予定とその一覧表を作成・配布・掲示したり、生徒会予算について各部活に生徒会から予算案を配布・提案したり年度末にはその決算を配布・説明したり、部活によっては文化祭での有志団体として参加する時の代表生徒把握のため、この全体会議とその後の各部の資料提出に大きな意味があるためです。だから学校として不可欠な会なのです。

部活としては顧問から、新入部員に説明した内容を2、3年生にも繰り返して、子どもたち各々が部活の一員としてやるべきことをあらためて確認させてもいい。部活に取り組むのに必要な姿勢や意識は、上級生も同じはずですから。しかしながら限られた時間の中でそこまで時間を掛けるのは難しいし、もし先生から一方的に話したとしても生徒たちの集中が続かないでしょう。(それは、練習など先生がともに過ごす中で繰り返し語りかけていきましょう。)

ですから、部員全員が集まるときこそ伝えるべきポイントを押さえてミーティングを進めていきたい。後で振り返って「やっちゃった。あれを言い忘れた!大事なことだったのに!」とか「あの項目もせめてプリントにして配って伝えておけば丁寧だった」と反省して、その後ミーティングが繰り返されたりするなど二度手間にならないよう今のうちに確認しておきます。


  全体ミーティングの流れ  


1)挨拶と紹介

いわゆる顔合わせです。挨拶する人は前に出て、みんなから顔が見える位置で聞こえるように話をします。必要であればマイクも用意します。

可能であれば配布プリントはこの時にはすでに全員に配っておき、それを見ながら話を聴ける状態にしておくと良いでしょう。


  顧問挨拶と新顧問の先生の紹介

新入部員には事前に「新入部員説明会」で主顧問から話しているので、ここでは新しく顧問になった先生方から自己紹介とご挨拶をいただきます。


  主将・部長、副主将・副部長の挨拶

上級生として3年生または2年生の主将または部長、その後に副主将・副部長から自己紹介とひと言、話してもらいます。顧問の先生はあらかじめ主将と副主将を呼び出し、二人の話が被らないよう事前に調整しておくように指示しておきます。


  マネージャーも全員出てきて挨拶

マネージャーがいる部活は、体育館なりグラウンドなりで忙しく仕事をしているはず。前に出て新入部員に「顔見せ」をして簡単に挨拶することで、慣れない1年生でも困った時にマネージャーに声掛けできるようにします。なおかつ日陰の存在になりがちなマネージャーも部活の大切な一員として存在価値を示す場を作ってやります。

私自身はそれとは別に「マネージャーにお願いしたり頼るのもいいが、彼女たちはチームの仕事がきちんとあり、お前たち部員のお母さんでも召使いでもない。お前たちがチームの、マネージャーの仕事を手伝うくらいじゃなきゃダメ。勘違いしないように」と伝えています。


  新1年新入部員の挨拶と自己紹介

ここでも前に出て上級生たちに顔見せして一人ひとり簡単に挨拶をしてもらいます。恥ずかしがる子もいると思いますが、みんなで出れば大丈夫。クラスと出身校・前所属チーム、ポジション、意気込みくらいでいいでしょう。生徒は出身校などで同じ部活の先輩後輩だったこともわかり親近感を感じたりします。新1年の責任者と副責任者についてもあらためて自己紹介させます。上級生に連絡係として伝えます。


2)主顧問から

挨拶が終了した後、主顧問から全体ミーティングで話す内容やプリントを配布して説明します。新年度初めのミーティングで押さえておくことについて挙げておきます。


  顧問、スタッフの一覧

ここでは学年、分掌、教科、在任期間ほか簡単なプロフィール、指導実績などもあれば。その部活における顧問の役割分担。外部のコーチや外部指導者についてもきちんと紹介します。外部コーチは当日不在でもOK。内容をプリントして配布すれば保護者の方も情報を共有してもらえます。


  部活・チームの紹介

チームの方針、大会実績、学年別人数、今年のチームの目標やチームスローガンなど。

私は毎年、新チーム立ち上げ時にその最上級学年にその代の目標、チームスローガンやそのために何をすべきかなど決めさせ、部員全体の前で表明させます。


  練習日、活動場所の確認

  年間スケジュール・大会等

  直近のスケジュール

これらについても顧問が文書化したプリントを用意しておきます。

③「練習日、活動場所の確認」については校舎のどこにある場所かあらためて新1年に説明すると同時に体育倉庫、石灰倉庫とラインカーの置き場、楽器庫の使い方なども、2年生が詳細を後日教えるよう伝えておきます。

④「年間スケジュール・大会等」⑤「直近のスケジュール」については、上級生に大会や公式戦に向けての話をします。


それに加えて「生活上の見直し」も示します。

1年生には「学校生活に慣れること、健康に気をつけること、自立すること」

2年生には「後輩の面倒をみると同時に自分たちの意識を高く持って部活に取り組むこと、勉強すること、学校行事でも中心となり頑張ること」

3年生には「最終学年として引退まで少ししかない、公式戦含め最後までやり切ること、進路も見据えて勉強も頑張ること」

などを伝えると良いでしょう。

いずれも言えることは、入学・進級したことで勉強もより難しくなってくるので、部活と勉強の両立について、生活の中での切り替えや健康管理の意識について。部員生徒全員に訴えます。


  健康保険証の所持を指示

活動中のみならず登下校中の交通事故や大きな怪我、練習試合や大会で自校から遠征した時の緊急時に使用するため。中学生・高校生ともなれば財布や生徒手帳などに入れていつでも自分で対応できるように、常に持ち歩き所持しておくよう伝えておきます。また健康保険証は再発行もたいへんでかつ個人情報でもあるので、紛失したりしないようしっかりと自分で管理するよう伝えます。


  部費の徴収のお知らせ

・生徒会費では賄いきれない消耗品に掛かる費用。氷、ポカリ、テーピング類。

・選手登録費など必ず個人で掛かる費用。

・合宿・遠征、定期演奏会など費用がかかる部内の行事。

それぞれ概算で構いません。学校も逼迫財政で受益者負担が原則になりつつあるので、具体的な数字を示して説明し、保護者向けにもプリントして配布します。


  部活の保護者会開催お知らせの配布

こちらは任意です。が、やはり子どものふだんの生活の情報共有や、顧問と保護者の方との風通しを良くするためにも、保護者対象の会を5月から6月末くらいまでに、年に一度でも開いておくと良いと思います。勉強の悩みや健康上のことや部員間の人間関係のことなど、こちらが保護者の方から聞いておいて良かったと思う情報も少なくないからです。また合宿など宿泊を伴う部活行事や部活の引退の時期と卒業後の進路の実際など、保護者の方々が気になり個別で質問される内容もここでまとめて話もできます。三年生を送る会、いわゆる三送会などを保護者の方に手伝って一緒に行う時などにも連絡が取りやすい。

顔を見て、表情を見て、直接声を聴いてやり取りすることで生まれる信頼関係は、子どもを通した話やこちらからの一方的なプリントでは得られません。


3)新1年生の作業

最後に新1年生と2、3年生の一部のみ会場(教室や会議室)に残り他のメンバーは解散します。以下のことを確認しておきます。


  個人から連絡用に「部活全体のLINEグループ」に入ることで連絡を共有できるようにする。ご家庭によってはスマホを持たせない場合もあるようですが、そういう子どもに対しては必ず自分で生徒間の情報を共有できるよう指示しておく。


  上級生から部活内のルール、約束事、練習準備の細かな手順など1年生への仕事の引き継ぎの話をする。入部してから初めの1ヶ月は上級生も新1年生部員とともに行うように顧問から指示します。しかし、どんなことが1年生のやるべき仕事なのか、伝えることは大切です。あらかじめ新2年生に整理させておきます。当然、挨拶や時間厳守についてもです。そのように1年生に教えることで、2年生も自覚せざるを得なくなります。


  個人持ちユニフォームやポロシャツ、ジャージのサイズ、番号など決める。原則、注文したらキャンセルはできない。もし退部することになったら購入せざるを得ないから、と無責任に注文することのないようにひと言付け加えて。

当然、仮入部期間などでの新入部員の活動着は、学校の体育ジャージでも全然OKです。ただ、落ち着いた頃だと他の学校の部活も同じ時期に注文を受けて業者や工場も混むので、馴染みの業者がいれば早めの発注もいいでしょう。部活やチームのジャージを自分も着ることができると、子どもたちは喜び、仲間意識もできて常に同級生と一緒に着たがるものです。


(終わりに)


以上、細かい点を挙げてみましたが、この会の準備は慣れてない先生の場合、綿密に準備した方がいいと思います。時間は限られており、生活指導部に忘れずに提出すべきものもあるからです。

またこれを契機に生徒たちが自分の所属している部活に愛情や所属意識も自覚でき、上級生は新入部員を迎えることで先輩としての立ち居振る舞いを余儀なくされて、必ず意識も高くなります。ご承知のように「新1年生の目」があるからです。


この会をうまく役立てない手はありません。顧問の先生はさらに上級生を新1年生の部員の前で必ず「褒めて」あげてください。たとえ、問題が多くてだらしのない学年であったとしても、です。どんなことでもいいんです。できれば、具体例を挙げて。憧れの目標とすべき先輩像を示してあげてください。褒められて嫌な人間はいない。嫌味のひとつも言いたくなっても、それはNG。上級生の紹介はとにかく褒めて、さらに期待している趣旨の話をしてあげてください。


そして、その勢いに乗せて、2、3年生もその場に学年ごとに残って、新たに「部内の係分担」を決めてもいいでしょう。近年「ボトムアップ」と言って、生徒たち自身が自分たちで問題意識を持って課題を話し合いながら解決していく手法が広まってます。素晴らしい「自立」方法のひとつだと思います。(私自身も部活の顧問としてキャプテンを命じたことはなく、部員に決めさせています。つまり先生のせいではなく決めた自分たちに責任が生じる。)

また主将・部長、副部長など代表者だけでなく、「幹部」や各「係」とその班長、副班長まで自分たちで相談して決める。この辺はクラス担任をしていればどんなものかはイメージできますよね?  この役割分担が小学校から無くならず、社会に出ても同じように職種という役割分担をしていることからもその効率の良いことだとわかります。

「生徒たちがやるとかえって時間も掛かるし、ミスも多いから結局自分がやることになる。最初から自分がやった方が楽」というのは先生の本音でしょう。しかし、どうでしょう。生徒は「自立」しますかね?  「依存」が当たり前になり「無責任」になり「文句や不平不満」を言いっ放しにしませんか?  この時期のこの全体会は、生徒たち自身がそれぞれ部活動を「自分たちの問題」として捉える良い機会なんです。これを活かさないのはもったいない。

ただ、その場合の「係」と「業務内容」については顧問の先生があらかじめ準備しておかないと、今の子どもたちは「受け身」なのでほとんど具体的には動けません。その係や役割についてはまたあらためてお話したいと思います。