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「部活動の顧問はこうやる! 〜運営編〜」


東京都を除けばコロナウィルス感染者数も以前に比べてみれば落ち着いて来ている中、学校は分散登校や時差登校を挟みつつ、少しずつ「新しい日常」を加えながら再開してきました。休校や短縮授業による授業時数の大幅な減少から、先生方はその後の対応に日々追われていることと思います。今回のテーマは「部活動の運営」について。再開した学校生活においていろいろな学校行事がコロナ感染拡大防止のため行事の中止を余儀なくされる中、まだ様々なハードルがあるものの子どもたちが楽しみにしていた「部活動」。その再開時における、顧問の運営上の確認事項などを押さえておきましょう。


★  例年の確認事項  

  顧問同士の役割分担と関係作り

→  職員室や活動場所などでの立ち話とは別に、短時間で構いません、顧問会議あるいは顧問打合せをしましょう。役割分担をこの年度当初に明確にしておきます。主顧問(監督)、副顧問、第3顧問、会計ほか外部指導員を含むコーチなどスタッフの立ち位置も顧問間で決定します。保護者に対してもプリントしてお知らせしておきます。

また顧問の子どもたちへの指導指針も確認しておきます。チーム運営における基本方針、チーム作り・メンバー選考について。現在では勝利や記録を意識した実力主義一辺倒よりも今は柔軟にみんなにチャンスを与えたり、全員を試合に出場させることも部活動には求められています。また生徒間の大きなトラブルを除き、子どもたち自身に運営もさせていく(すべてではなく機会を与えて成就感や達成感を与えるスタイルの)「ボトムアップ」思考を取り入れても良いでしょう。


  加盟登録と年間スケジュールの確認

→ 年度当初で多忙の時期でも我々教員が絶対忘れてはいけないこと、「加盟申込み」や「大会参加申込み」「選手登録」などを必ず確認します。同時に中体連・高体連の年間スケジュール。それに加えて親善試合、夏季合宿、引退セレモニーのそれぞれの時期。今年度はコロナによる中止も少なくありません。随時ホームページや運営委員の方々への確認をしておきたいものです。


  部員の確認

→  1)上級生

全体の部員数、学年別・男女別人数を明記した名簿を顧問会議で配布。そのほか部長・主将ら幹部の生徒、中心となる生徒も把握します。できたら顔合わせも。また部全体の意識やモチベーション、目標や所属意識。彼らの生徒の既往症、保護者の関わりについてなど、押さえておきたいマル秘の話も、今までいた顧問の先生が簡潔にまとめて顧問会議で確認しておきます。

→  2)新入生の入部生徒の対応

これは各学校の規程や慣例があるはず。それを踏襲していく形で十分です。他のクラブと足並みを揃えて。必要があれば学校全体で見直し改善していきます。今年度についてはコロナウィルス絡みで中止や変更も多いですね。下記に別途その注意を挙げておきます。


  保護者と顧問との関係

→  保護者なくしては生徒との信頼関係も難しいのが今の部活動。保護者の方々が協力を惜しまず支援してくれるプラス面ばかりでなく、悪化している件や重たい案件も顧問間での情報共有は必須です。我々教員が関わる子どもたちはあくまでも未成年であり保護者承諾の下での活動。場合によっては管理職にも報告を入れておきます。


  緊急時の対応

→  1)生徒の怪我や事故時の対応

学校近隣の病院を確認して職員室の部活動ファイルに紙ベースですぐに見ることができるようにしておきます。生徒の既往症や体質的に注意しておくべきことを把握しておきます。個人の保険証を財布や生徒手帳に所持しておくよう指示しておきます。特に小中学生はスマホ・携帯を学校内に持ち込むことが禁止されています。(中学生にはその見直し案も出ていますが、すぐには広まらないと思われます。) 保護者への緊急連絡先も把握しておきましょう。

→  2)教員の緊急時の対応

先生方も生身の人間です。本人はもちろんご家族の都合などもあるはず。臨機応変に顧問の先生同士が助け合える緊急連絡時のことも準備しておきます。公式戦や引退試合にはあらかじめ複数対応を。顧問の先生が当日誰も担当できない時は、その日の活動は中止にすべきです。「顧問の先生が協力してくれているからこその部活動」ということを子どもたちに知らしめることも、時には必要です。


  運営費

必要経費の予算立てをしておきます。徴収額やその方法も確認しておきます。

→  1)年度前

学校の公費助成や生徒会費における部活動予算を確認。新規部活動発足時以外は、昨年度中に予算申請しているはずです。書面で確認します。

→  2)年度初め

登録費、ユニフォーム、部費、父母会費、OB会費など。コーチを外部からお願いするのであればその手当に掛かる経費について。文化部は定例のコンサートとそのための会場費をあらかじめ確認しておきます。

→  3)年度途中

大会参加費、後から入った部員の追加登録費、夏季合宿費、審判講習会・登録費。文化部であればライブやスタジオに掛かる経費などはその都度。

→  4)年度末

三年生を送る会(三送会)記念品、色紙、花束、他セレモニーに掛かる装飾品、軽食代など。卒業式前後の催しでもあるので、決算は翌年度の初めでもやむを得ないと思います。


★  異動時の確認事項  

主顧問の先生や長きにわたってその学校の部活動に貢献された先生が異動や退職で去る年には、あらかじめご自身により次の主顧問および顧問の先生方に次年度に向けて引き継ぎをしておきます。先生ご本人にはさまざまな思いがあるはずです。しかし、くれぐれも引き継ぎ不足もなく、子どもたちからも他の先生方からも「さすが!」と言われましょう。引き際もカッコ良くいきたいものです。言うまでもなく、これも「準備」が重要です。



★  今年度における確認事項  

今年度はコロナ禍により、まさに部活動どころではない不測の事態に遭遇しています。新入生の体験入部や入部後の練習・トレーニング参加については、その「体力面での衰え」も考慮して、例年よりゆっくりしたペースで対応していくべきです。高体連や高文連、中体連の専門部の指針も参考に、生活指導部やクラブ委員会などが、余裕を持ったスケジュールの中で新入生のクラブ勧誘および入部説明会を促します。上級生についても同様です。各部の顧問レベルでも慌てずスローペースで大らかに対応しましょう。

それとは別に、大会や公式戦の確認も忘れずに。特に今年度、コロナウィルス感染拡大防止により三年生の引退など区切りの大会や試合が実施されず、そのまま引退となってしまったケースも少なくないはず。交流試合や親善試合など部活単体レベルでいいのでイベントの企画までしてあげたいものです。我々教員にとっては「長い教員人生の未曾有の一年」であっても、子どもたちにとっては「人生一度きりの中学校あるいは高校の部活動」です。私たち教員が「先生」として子どもたちに今できることは何か。そう考えて取り組むこと自体で、私はもう失敗ではないと思います。


( 終わりに )

「良い部活に入って良かった、本当に良かった……」なんとも嬉しいひと言。子どもたちがそう思えるような部活動の運営は理想です。しかし、それは決して簡単なことではないと思います。まず部活動の運営自体、授業の専門分野とは異なり、教員免許状取得の時にもまったく必要はない。部活動の種目や分野が専門ではない先生方も多く、ある意味学校から丸投げされてしまっていたりすることも少なくない。手当ての額的にもその責任に比べてボランティアと言ってもおかしくない。部活動とは先生方の「善意」で成立している生徒活動に違いありません。ましてや今はこのコロナウィルスによる先行きの見えない状況下です。だからこそ、顧問の先生の取り組む姿勢が問われています。一人きりにならず、顧問の先生方、学校の先生方全員が一枚岩となって、さまざまなことに直面してもその中でやれることを、その中での精一杯を、とりあえずできればいいと思います。そのことが良い思い出になるには何よりも「関係性」。そしてそれを活かす「知識」と「準備」と言ったところでしょうか。準備の部分はその都度確認して、助け合えます。時にこぼれることがあっても、まずは経験ある先生方と「いざその時の対応」のための準備をしておきたいものです。前を向いて共に「今やれること」をやっていきましょう。